モラルの在りか:「ピー音」や「モザイク」といった放送規制から
日本でテレビを見ている時にたまに入る「ピー音」やモザイク。
これらはテレビ局が「放送するにふさわしくない」と判断した言葉や映像が出てくる時に、それらを隠すために掛けられます。テレビの他に、ラジオや映画にもあります。
特定の箇所を隠しつつも、その番組や映画自体を禁止しているわけではないので、「ここまでは良いけどここからはダメ」という線引きの在りかを示すものであると言えるでしょう。
日本の場合、その対象の多くが性に関するもののように思います。どこまでが流されてどこからが隠さているのかを考えると、日本のメディアにおけるモラルの境界線が分かってきます。
一方、トルコの場合、映像の中でアルコール飲料が出てくる時にモザイクが掛けられています。
イスラーム教ではお酒は禁じられているので、ふさわしくないものとして隠されています。現政権がイスラーム教政党であるのも関係しているかもしれません。
(ちなみに、トルコは西部が世俗的、東部が保守的で、西部の都市にはバーがあったりレストランでお酒が注文できます。スーパーや酒屋でもお酒が買えます。)
また、日本で規制対象になっている性に関するものは、モザイク以前にそもそも番組自体に出てきません。
ですので、特定の部分に限らず性にまつわるものは丸ごと論外、ということでしょうか。
どうやら日本とトルコでは、メディアに関するモラルの在り方がちがうようです。