ひつじの国からメェるはバァ

トルコ☆ローカル☆見聞録

トルコ語で「かおなし」

千と千尋の神隠し』の中で、「かおなし」というキャラクターが登場します。全体が黒い影のような存在で、顔は無く、代わりにお面がついています。

存在感も感情も外に出てこない一方で、孤独感が強く人一倍欲があり、体の部分で唯一リアルな巨大な口で、欲しいものを唐突に強引に飲み込んでいきます。飲み込んだ分だけ、影のようだった体はリアルに、そして大きく醜くなっていくのでした。

人との関わりを失くした人間の成れの果てを表わしているのが、かおなしであったと言えるでしょう。

 かおなしは、『千と千尋の神隠し』の中でおそらくハクに次いで人気のあるキャラクターなのではないでしょうか。特に「ものまね」という形で愛されていると思います。かおなしが声にならない声を発する時や、油屋で働くカエルを飲み込んでしゃべる時のものまねを得意とする人は結構いるのではないでしょうか。

筆者もかおなしの儚さと非日常感が好きで、真剣にものまねに取り組んでいた時期がありました。

 

さて「かおなし」を文字通りトルコ語に直訳すると、「yüzsüz ユズスズ」となります。

yüzsüzという単語はトルコ語にあり、「恥知らず」という意味になります。

例えば、「あの人は恥知らずだ」と言う時は、「O yüzsüz オ ユズスズ」となります。

 

「かおなし」=恥知らず…

欲を前面に出した時のかおなしは、あながちトルコ語の意味から大きく外れていないのではないでしょうか。

 

千と千尋の神隠し』のかおなしとトルコ語の「かおなし」、意外なところで共通点があったのでした。